アワード

第5回新千歳空港国際アニメーション映画祭のコンペティション作品としてノミネートされた作品のなかから、国際審査委員による厳正な審査を行い各賞を決定いたしました。

短編グランプリ Grand Prix 短編グランプリ Grand Prix

Solar Walk

2018年 / デンマーク / 0:20:55

時空間を超えて行われる、個々人と彼らの創造の旅。あらゆる行動は当の本人だけに意味を持ち、太陽系の視点から見るとなんてことのないものだ。混沌を美しく宇宙的なものとして受け入れることの憂鬱さについての作品。創造への情熱を、アニメーション技術自体のユニークで遊び心のあるテクスチャーから感じとることができる。

  • 監督名 : レカ・ブシ

    1988年生まれのハンガリーのインディペンデントアニメーション作家。ブダペスト応用美術大学のアニメーション専攻で学士と修士を取得。卒業制作『Symphony no. 42』は第87回アカデミー賞にノミネート、ベルリン国際映画祭、SXSW、サンダンス映画祭、アヌシー国際アニメーション映画祭の公式短編部門でも上映、50を超える国際的な賞を獲得している。2013年から2014年にかけて、ヨーロッパのアニメーション制作ワークショップ、アニメーション・サンズ・フロンティア(ASF)に参加する。デンマークの都市ヴィボーでのオープンワークショップ、オーストリアのウィーンでのQ21といったアーティストインレジデンスにも招かれている。フランスで製作された短編作品『LOVE』は2017年ヨーロッパ映画賞にノミネートされ、2018年セザール賞の選考対象にもなっている。パッション・ピクチャーズ所属。

受賞理由

おそらくこの世界は、ユニバース(単一の宇宙)というよりはマルチバース。かたち、色、音が舞う、魔法のような世界。踊り、発見し、自分自身の世界を作り上げるキャラクターたちは、この作品を作り出した作家そのものです。あらゆる出来事が、平穏さ、喜び、強烈な優しさと共に起こります。あらゆるものが、それよりも大きな何かの一部です。時間も空間も、この世界では、固有のロジックとダイナミズムを持っています。

日本グランプリ Japan Grand Prix 日本グランプリ Japan Grand Prix

秋 アントニオ・ヴィヴァルディ「四季」より

2017年 / 日本 / 0:11:10

拝啓 ヴィヴァルディ様
まずはあなたの音楽に勝手に映像をつけてごめんなさい。そしてその映像も、こちらの勝手な解釈で、あなたの想定していないであろうカワウソなどのいろんな動物を登場させてしまっています。でも、秋を舞台に人間の営みを描いているこの曲を映像化するにあたり、私はどうしても動物を登場させたかったのです。人間も動物も、狩る者も狩られるも者も、夢も現実も、すべてひっくるめた「秋」を描きたくなったのです。どうかご理解ください。敬具

  • 監督名 : 和田淳

    1980年兵庫県生。大阪教育大学、イメージフォーラム付属映像研究所、東京藝術大学大学院で映像を学ぶ。2002年頃から独学でアニメーションを制作しはじめ、「間」と「気持ちいい動き」を大きなテーマに制作を続けている。『わからないブタ』(10)がファントーシュ国際アニメーション映画祭でBest film、文化庁メディア芸術祭で優秀賞等国内外の映画祭で受賞。『春のしくみ』(10)がベネチア映画祭オリゾンティ部門で上映され、『グレートラビット』(12)がベルリン国際映画祭短編部門で銀熊賞を受賞する。映画『私は猫ストーカー』(09)、『ゲゲゲの女房』(10)『ディアーディアー』(15)でアニメーションパートを担当する。現在、大手前大学准教授、大阪教育大学、京都精華大学非常勤講師。

受賞理由

この賞は、私たち皆が知っていて、愛してもいる彼自身のスタイルの本質に忠実でありつつ、自分自身を「再発明」することができた作家に与えられます。この作品の上映の間、驚きと喜びとで、私たちは微笑みつづけ、全会一致で、以下の結論に達しました。秋こそが、最も美しく、エキサイティングであるがゆえに、顔が思わず溶けてしまうような季節である、と。

新人賞 New Talent Award 新人賞 New Talent Award

Bloeistraat 11

2018年 / ベルギー / 0:09:41

ずっと一緒にいたい親友と、子供時代最後の夏休みを家の周りで過ごしている。夏が進むにつれて、彼らの体は変化し始め関係はギクシャクしたものへと傾いていく。思春期は彼らの絆を断固邪魔するかのようだ。

  • 監督名 : ニンケ・ドゥーツ

    ニンケ・ドゥーツはオランダの監督、作家で、現在ロッテルダムを拠点としている。 2010年にマーストリヒト・アカデミー・オブ・ファイン・アーツの学士号を取得したあとベルギーのゲントに移り、KASKで アニメーションの修士過程を卒業した。卒業制作『1, 2, 3, ピアノ!』はフランダース・オーディオビジュアル・ファンドでワイルドカード賞を受賞し、ヨーロッパ各地のフェスティバルやミュージアムで上映された。

受賞理由

透明な素材に描かれた2人の少女の表現が、新しい可能性の開花を感じさせました。彼女らの透明な身体は、文字どおり透き通るような純粋さを表現しています。しかし同時に、その身体が触れあうとき、透明な身体の内部に隠れる、生々しい肉体のうごめきが現れて来ます。そしてその肉体は思春期の彼女らを不可避的に大人へと変化させてゆき、彼女たちの関係もギクシャクしたものへ変わっていってしまいます。そのような、思春期の繊細な物語と、実験的な表現手法が分かち難く結びついた、とても力強い作品です。

短編部門審査員特別賞(Jury's Special Award for International Competition) 短編部門審査員特別賞(Jury's Special Award for International Competition)

マイリトルゴート

2018年 / 日本 / 0:10:13

オオカミに食べられてしまった子ヤギ達を胃袋から助け出すお母さんヤギ。しかし、長男のトルクだけが見つからない!

  • 監督名 : 見里朝希

    1992年東京都生まれ。
    2016年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科卒業。
    2018年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。

受賞理由

母親はかわいい子どもたちを捕食者たちから救えるはずなのに、なぜかその子供たちは傷ついていて、その傷は永遠に残ってしまう……この作家は、よく知られた物語を、類型的に利用するのではなく、近親相姦と虐待について語るための出発地点と考え、愛と破壊、かわいさと底知れ無さがいかに近いものであるかを語っています。

The Burden

2017年 / スウェーデン / 0:14:15

巨大な高速道路の横にある、現代的なマーケットを舞台にしたダークミュージカル。さまざまな売り場の従業員が陽気な音楽とともに踊り、存在することの不安や退屈を示す。やがて黙示録は魅力的な解放者となる。

  • 監督名 : ニキ・リンドロス・フォン・バール

    スウェーデンのストックホルムを拠点とする作家・アニメーション監督。『The Burden』(2017)、『Bath House』(2014)、『Tord and Tord』(2010)は、カンヌ、ベルリン、サンダンス、トロントを含む世界中の映画祭で上映された。2017年、『The Burden』はアヌシーでクリスタルを、トロント国際映画祭で最優秀短編賞を獲得した。2016年春、ストックホルムの美術大学、絵画専攻で修士課程を修了した。Stene Projects GalleryとNexus所属。衣装デザイナーであるニクラス・ニルソンと共に、フィーバー・レイ、さらにはデヴィッド・ボウイのミュージックビデオ「Blackstar」などの作品に携わっている。

受賞理由

この作品を褒め称える文章を書くのは、荷が重いどころか、とても簡単な仕事です。この作品を何度も観ていますが、まるで初めて観たかのように、心を動かされ、高揚した気分になります。美しい楽曲、歌詞、振り付けが、この作品を親しみやすく、つながりやすくしています。私たちの誰もが、この映画で描かれているように、つまらない場所で、心が無になるようなことをした経験があるはずです。その日が終わることを、今か今かと待ち続けるときが。そんなような場所が、こんなにも詩的で、心を高ぶらせるなんて!

タンポポとリボン

2018年 / 日本 / 0:07:07

リボンが自分の体をほどき、タンポポが結び直す。 それはふたりだけのお決まりのジョークだった。

  • 監督名 : 若井麻奈美

    1989年 神奈川県生まれ。 多摩美術大学絵画学科油絵専攻 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了 ミクストメディアのように様々な技法を取り入れたアニメーションを制作している。

受賞理由

仲睦まじく遊ぶ二人。しかし、お互いが違う存在であるがゆえに、避けられない別れを呼び寄せます。ある者は誰かに結び直してもらわなければその形を保てません。ある者は時間とともに変化していきます。作品では彼らは可愛らしいキャラクターとして擬人化されて描かれています。しかし、この物語を駆動するのは、人間的な感情や理性ではなく、その両者が「物」として持っている、互いに異なる属性や時間の尺度です。(それを運命というのだと思います。)そんな「物」の在り様に真摯に向き合った作品だと感じました。

長編グランプリ Grand Prix 長編グランプリ Grand Prix

This Magnificent Cake!

2018年 / ベルギー、フランス / 0:44:18

19世紀後半、植民地時代のアフリカを舞台にしたアンソロジー作品。5人の異なるキャラクターーー問題点のある王様、高級ホテルで働く中年のピグミー、遠征に失敗したビジネスマン、彷徨う荷配人、若い脱走兵たちの物語。

  • 監督名 : マーク・ジェイムス・ロエルズ、 エマ・ドゥ・スワーフ

    マーク・ジェイムス・ロエルズは、過去に受賞を重ねた短編作品『Mompelaar』(2007)と『A Gentle Creature』(2010)を制作した実写監督。エマ・ドゥ・スワーフはウールやフェルト、テキスタイルといった素材を好み、コマ撮りと人形作りを専門としている。二人は2012年に『オー、ウィリー』を共同で監督。この作品はカートゥーン・ドールの最優秀ヨーロッパ短編賞、セザール賞ノミネートなど、80を超える国際的な映画祭で賞を獲得した。ベルギーのアントワープが活動の拠点。本作は二人の最新作である。

受賞理由

審査会議を経て、私たちは全会一致で、この作品を選びました。純粋な創造性、夢とそこからの目覚め、そして完璧なる美的成熟・達成といったものに興奮させられました。不条理映画と冷酷な風刺を興味深いかたちで組み合わせたこの作品は、西洋の歴史上最も闇深い部分を描いています。完全に咀嚼しきるためには多くの時間が必要であろう、この重要かつ挑発的な映画を作ってくれた監督たちに、感謝の念を示したく思います。

審査員のひとり、冠木佐和子さんが、この作品の監督たちについて語った言葉を引用したいと思います。「こいつら、頭いいし面白い。なんでも持ってるじゃん。嫉妬する。こいつらになりたい。」

学生グランプリ Best Student Film 学生グランプリ Best Student Film

Snow White Cologne

2017年 / イギリス / 0:06:20

私の妹が経験した麻薬中毒との闘いと克服を映像詩として描く。ここには愛と喪失、善と悪がある。私は何も裁くことなく妹の物語を伝えたかった。それゆえに、「薬物中毒」という難しい主題について、その病気の問題の事実を直接的に伝えるのではなく、詩的かつ感情的なやり方で取り上げようとした。

  • 監督名 : アマンダ・エリアソン

    1990年生まれ。近年、ロンドンの王立芸術院で修士号を取得した、スウェーデンのアニメーション監督。現在はイギリスでフリーランスのアニメーション監督として働いている。アマンダ・エリアソンは常にアートを愛してきたが、それを仕事できるかは分からなかった。本当は航空交通管制官になる道を進むつもりだったが、秘密で試験を受けたストックホルムのベックマン・カレッジ・オブ・デザインに合格。その学校でアニメーションに出会い、イラストや絵画を動かせるということに心を惹かれ、以来、平面的なイメージを3次元の空間に転換することに深い関心を持つようになる。作品では社会的なテーマを取り上げるが、遊び心があり、素朴でもある。

受賞理由

若々しい創造力に溢れたサイケデリックな映像、ダイナミックな表現力。それでいて切なくなるほどに詩的で、繊細な美しい作品。観ていて心がヒリヒリしました。

学生部門審査員特別賞(Jury's Special Award for for Student Competition) 学生部門審査員特別賞(Jury's Special Award for for Student Competition)

Flower Found!

2017年 / オランダ / 0:06:46

森の真ん中に美しい赤い花が咲いている。突然花は消えてしまい、ネズミがひどく悲しむ。ネズミは鳥とほかの動物たちとともに森中を探す。彼らが花を見つけたと思ったとき、全てが手に負えない状況になってしまう。

  • 監督名 : ヨルン・レゥワリンク

    1990年、オランダ生まれ。ユトレヒト芸術学校でアニメーションを学ぶ。 現在はアムステルダムでアニメーターとして働いている。

受賞理由

本作は短い尺にもかかわらず紆余曲折なストーリーをリズムよく語り、物語を二回も反転させ、絵本のような絵柄を用い、寓話的な表現を通じて、人間の本性とその矛盾を暴き出します。作品の最後、主人公のネズミは、自分のあざとさによって起こした悲劇を自分の手で埋めあわせます。ブラックユーモアのように見えますが、観客を考える余地を与える結末になっています。

新千歳空港賞 New Chitose Airport Award 新千歳空港賞 New Chitose Airport Award

Death of a Father

2017年 / インド / 0:10:16

父が亡くなり、バブーは昔ながらの儀礼と社会的手続きに巻き込まれる。 父親の喪失に対処する術を求めるなか、死はバブーの日常的な事柄の一つとなっていく。

  • 監督名 : ソムナス・パル

    ソムナス・パルはインディアン・インスティテュート・オブ・テクノロジー・ムンバイIDCでアニメーションの学位を取得。その後、アマル・チトラ・カター製作の劇場用長編アニメーション『Sons of Ram』のアシスタント・ディレクターを務め、数々の賞を受賞した長編映画『Court』のプロダクションデザイナーとしても活躍。『Death of a Father』は、アニメーション監督としてのデビュー作になる。

受賞理由

一切の直接的な言葉で語ることなく、滑稽で静謐な距離感が全てを物語る。若き監督による熟練の目線を感じさせる作品です。

キッズ賞 Kids Award キッズ賞 Kids Award

おうち

2018年 / イラン、アメリカ / 0:09:44

テレビで見た新しい家を買うため、家族は古い家を売ることに決めたが、家の修繕が大変で、売るにも一苦労。しかし、すべてがうまくいったとき、状況は一変する。

  • 監督名 : ファルホンデフ・トラビ

    1991年に短編アニメーション制作を始め、今までに約12の短編アニメーションを作る。最も有名な作品は「シャンゴウルとマンゴウル」だ。これまで私の作品は世界中で25を超える賞を受けている。

受賞理由

布や紙が動いているように見える技術が良く、人間が異常に大きくなったり動物が独特の可愛さをもっていたりする表現力もあり、未来までみせるストーリーも驚きました。これらの意外性が見事だったと思いました。もっと、他の作品も見たいと思わせるオリジナリティーでした。

ベストミュージックアニメーション Best Music Animation ベストミュージックアニメーション Best Music Animation

KATY’S WART by David Roush & Ecce Shnak

2017年 / アメリカ / 0:02:53

変態が双子を苦しめる。双子の1人は手に魔法のこぶがある。これは彼女たちの復讐の物語。

  • 監督名 : サイモン・ウイルチェス・カストロ、 ホリー・バイナム

    並外れた才能を持つアニメーター、クリエイティブディレクター。 コロンビア、ポパヤン出身。ボゴタでビジュアルアートを、キューバではアニメーションを学び、そしてアメリカではアニメーションの学士を取る。その後コロンビアに戻り、政治的・社会的な漫画を制作したことで窮地に追い込まれる。アメリカではアニメーション制作で生計を立てる。日本ではTBSのiCamp、アメリカではTitmouse Studiosのほか、ディズニーのTVアニメーション、スターバーンズ・インダストリーズ、アダルトスイムなど、数々のクライアントと仕事をする。 彼の作品は、Adobe Design Achievement Award、アニー賞ノミネート、アカデミー賞学生部門の準決勝進出者ノミネートを含む世界中のフェスティバルで上映され、賞を獲得している。 2010年にはフルブライトのフェローシップを受賞。さらなる情報はウェブにて。www.simonwilches.com

観客賞 Audience Award 観客賞 Audience Award

imai “Fly feat.79,中村佳穂”

2018年 / 日本 / 0:03:15

昼下がりの一軒家で動き回るおもち達。

  • 監督名 : 橋本麦

    映像作家、ビジュアルアーティスト。TVCMからミュージックビデオ、Web、インタラクティブ作品など幅広く手掛け、さまざまな表現手法の実験の積み重ねにより、多様な映像・グラフィックのスタイルを模索している。第19回文化庁メディア芸術祭新人賞受賞

外務大臣賞 Minister for Foreign Affairs Award 外務大臣賞 Minister for Foreign Affairs Award

Conception: Catie + Jen

2018年 / イギリス / 0:04:14

この作品はニューヨーク・タイムズが企画している「妊娠」シリーズーー母親になることについての6つの異なる実話を見せる6つのうちの1つーーとして製作された。 ジェンとキャティという2人の姉妹が、不妊症や予期せぬ妊娠、困難な人生の決断と格闘する。愛、恐怖、信頼についてこの強力な物語において、姉妹の結束と母性が出会う。

  • 監督名 : モス・スタジオ

    モス・スタジオは、コマーシャル、長編映画の一部、NGOや慈善団体向け映像を制作していた3人の短編映像監督によって設立され、その後、プロデューサー、監督、デザイナー、問題解決部門といった専門チームができるまでに成長した。複雑で難しいテーマを想像力豊かな方法で描くことで、コマーシャルワーク、編集、短編映像、いずれの場合でも、独特のスタイルを持つ鮮やかな作品を作ろうとしている。

受賞理由

思う通りにはいかないことばかりの人生の苦しい時を、フレッシュに描く演出に泣かされる。親指を包み合うような優しさによって、確信できる未来もあります。

観光庁長官賞 Japan Tourism Agency Commissioner Award 観光庁長官賞 Japan Tourism Agency Commissioner Award

America

2018年 / イスラエル / 0:15:22

1950年、テルアビブ。母親と息子はアメリカから電報を受け取る。息子がイスラエルでの暮らしで育まれた独創的な空想に浸る一方、その招待状による展望は母親の心によりよい生活を夢見させる。

  • 監督名 : ナダフ・アルベル

    1980年生まれ。イスラエルのアニメーションディレクター、およびアニメーションスタジオ「The Moving Company」の創設者。イスラエルのいくつかの機関で、アニメーションや映画の講師をしている。短編アニメーション「Elephent」ほか、複数のウェブシリーズのアニメーションを監督する。

受賞理由

大人になっても求めてしまう「ここではないどこか」。心に残るのは、この上なく優しく寄り添ってくれる雪の冷たさと温かさです。

北海道知事賞 Hokkaido Governor Award 北海道知事賞 Hokkaido Governor Award

had lived

2018年 / 日本 / 0:04:15

これはひとつの死についての作品だ。祖母が亡くなってから見たもの、記憶に残ったもの、残っていないもの、考えたことを描いた。時が経つと記憶も思いも生も死もすべてまざっていく。

  • 監督名 : さとうゆか

    1992年札幌生まれ。北海道教育大学大学院に在籍中。 凹版凸版を用いてアニメーションを制作している。Holland Animation Film Festival 2016,第16回広島国際アニメーションフェスティバルなど、国内外の映画祭などで上映されている。上映団体EZOFILM代表。

受賞理由

確かにここにあると思った瞬間、手のひらからこぼれ落ちるような日々の証。曖昧に漂う生と死に、不思議な癒しを感じます。

ロイズ賞 ROYCE’ Award ロイズ賞 ROYCE’ Award

タンポポとリボン

2018年 / 日本 / 0:07:07

リボンが自分の体をほどき、タンポポが結び直す。 それはふたりだけのお決まりのジョークだった。

  • 監督名 : 若井麻奈美

    1989年 神奈川県生まれ。 多摩美術大学絵画学科油絵専攻 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了 ミクストメディアのように様々な技法を取り入れたアニメーションを制作している。

受賞理由

ある日突然消えてしまう、一番分かち合いたかったこと。残酷さをはらんでいる日々だからこそ、愛おしさが強調される珠玉の物語です。

北海道コカ・コーラ賞 Hokkaido Coca-Cola Award 北海道コカ・コーラ賞 Hokkaido Coca-Cola Award

がんばれ!よんぺーくん

2018年 / 日本 / 0:03:51

少年よんぺーくんの元気な日々を描いたアニメーション。今回は〝おつかいにいこう!の巻〟です。

  • 監督名 : しょーた

    2016年東京造形大学アニメーション専攻卒業。 2018年東京造形大学大学院修了。 現在は映像制作会社に勤める。

受賞理由

底抜けに楽しい意味のなさかと思いきや、秘められた闇も気にさせる。続編を応援しています。

北海道銀行賞 Hokkaido Bank Award 北海道銀行賞 Hokkaido Bank Award

Viacruxis

2018年 / スペイン / 0:11:00

マルセルとアンジェイは、伝説的な登山者のペアである。二人はいつも誰よりも早く最も高く難しい登頂を行う。お互いの性格は違うが、優れたチームを形成する。マルセルが主導権を握り、アンジェイはいつも二番手を担う。今、彼らは最大の挑戦を迎えている。前人未到、世界再考の頂を攻めるのだ。達成のためには、おそるべき障害物を乗り越え、苦難に耐え、支え合わねばならない。まさにそのとき、アンジェイはマルセルの影であることをやめる。

  • 監督名 : イグナシ・ロペス・ファブレガス

    1993年、バルセロナ、メッサーナスクールを卒業したイラストレーター。

受賞理由

2人の人間くさいキャラクターが、期待通りには見られなかった景色を宝物に変えてくれる爽やかな感動作です。

北洋銀行賞 North Pacific Bank Award 北洋銀行賞 North Pacific Bank Award

Dancing Frog

2018年 / 韓国 / 0:10:20

すべてはつながっている。

  • 監督名 : キム・ジンマン

    1975年韓国、ソウル生まれ。2003年弘益大学彫刻・ビジュアルコミュニケーション学科卒業。2009年中央大学イメージングサイエンス、マルチメディア&フィルム修士号を取得。Humuhumuスタジオに監督として勤務。

受賞理由

一定のリズムに煽られて、躍動感溢れる小さな生き物に連れていかれた先にあるものは、蓄積された生命への畏怖。圧倒されました。

サッポロビール賞 Sapporo Breweries Award サッポロビール賞 Sapporo Breweries Award

Passage

2018年 / フランス / 0:06:41

日が沈むと、大地の活動はペースを落とし眠りにつく。星は真に深く黒い空の中に現れる。 地上の生命の短く活発なサイクルは、宇宙の永遠には敵わない。 その小さな魂が地球を離れることを決めた、まさにその瞬間のお話。

  • 監督名 : サイモン・フィート

    1989年パリ生まれ。基礎物理学の修士号を取得した後、国立高等装飾美術学校でアートとアニメーションを学ぶ。 交換留学で東京藝術大学大学院アニメーション専攻に6ヶ月滞在し、最初の短編アニメーション「サイレンス」を制作する。「パッセージ」は卒業制作である。

受賞理由

こどもの頃に最も夢見た景色に、最も美しい形で出会うことができました。

ISHIYA賞 ISHIYA Award ISHIYA賞 ISHIYA Award

Floreana

2018年 / デンマーク、アメリカ / 0:04:05

遠隔地にいる未来の人々が、重要な任務のために訓練を受けている。

  • 監督名 : ルイス・モートン

    カリフォルニア州ロサンゼルスに住む映画監督、およびアニメーター。サンダンス、アヌシー、広島国際アニメーションフェスティバルなど世界各地の映画祭での上映経験を持つ。 2016年、デンマークのアニメーションワークショップのレジデンスに招かれ、最新作の短編映像『Floreana』を制作した。

受賞理由

止まらない斬新なカメラワークと音の刺激。新しい表現に放り込まれたような感動があります。